漂流出口 Outlet Drift~台湾インディーズ③原住民音楽
台湾は多民族国家。
本省人 86%(ホーロー人74%、客家人12%)、外省人 12%、原住民 2%
本省人も外省人も大陸からきた漢族ですが、完全にルーツが異なるのが人口比2%の原住民です。
原住民の中でも更に、
タイヤル族、タロコ族、アミ族、パイワン族、 ブヌン族、プユマ族、 サイシャット族、 サオ族、 クバラン族、 サキザヤ族、ルカイ族、ツォウ族、タオ族、サアロア族、カナカナブ族、セデック族の16部族に分かれ、其々独自の言語・文化・音楽を持っています。
歌手やスポーツで活躍する人が多く、台湾の野球選手なんかはほとんど原住民出身者なので、現代の台湾社会でも原住民といえば歌が上手くてスポーツが出来る!みたいなイメージが強いですね。
その他、過去に行われていた差別的な扱いやそれを解消するための政策、人類学的系統などの話はここでは省きます。
今回紹介するのは
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彼らはアミ族出身で、今も台東の比西里岸にある原住民集落を拠点にしています。
彼ら自身は『融合台灣原住民傳統古調,來自台東阿美族的民謠實驗搖滾樂隊』つまり台湾先住民伝統民謡とROCKの融合による実験的音楽であると自称し、独自のトライヴァルな音楽を加えたヘヴィでサイケデリックなサウンドを作り上げています。
ライブで白目剥きながら雄叫びを上げる様子を見るに、土着宗教的な狂気と熱気で溢れていて、淡々とライブするバンドの多い台湾の中では特異な存在です。
彼らこそ台湾発のオリジナリティを持つロックバンドでは?ということで、彼らの音楽は国の支援の基に積極的に欧米や東南アジア各国に発信されており、最近はレコーディングもしてるようなので、近日中に新譜出るかも?期待。
余談で、先日彼らと対バンした際に「東京は食べ物がなんでも高いよ~」みたいな話をしたのですが、彼ら曰く「そこらに生えてるものを食べれば良いじゃないか。台東に来れば家やお金が無くても生活できるぞ!」とのこと。
本当の豊かさとは?みたいな話ですね。